落合陽一の日本再興戦略-人口減はむしろチャンス【書評①】

落合陽一の日本再興戦略-人口減はむしろチャンス【書評①】




メディアアーティスト・筑波大学准教授・ピクシーダストテクノロジーズ株式会社代表取締役社長などの肩書を持ち、現代の魔術師とも呼ばれる落合陽一さん。

そんな落合陽一さんの考える、日本再興のための考え方が詰まった本、

日本再興戦略


について、共感した点を紹介していこうと思います!




ワークライフバランスからワークアズライフへの転換による日本再興




ワークライフバランスとワークアズライフとは何かという点について、簡単にご説明しようとおもいます。

ワークライフバランスとは


ワーク(仕事)とライフ(生活)の調和と表現されます。

近年は仕事のために他の私生活の多くを犠牲にしてしまう仕事中毒(ワーカホリック)状態となり、心身に疲労を溜め込みうつ病に代表される精神疾患を患ったり、過労死や自殺に至ったり、家庭を顧みる時間がなくなることで家庭崩壊に陥るなどの悲劇を生む事例が後を絶ちません。

仕事と生活のアンバランスが原因で引き起こされる多くの悲劇を抑えようと、「仕事と生活の調和」、ワークライフバランスが叫ばれるようになりました。



ワークアズライフとは


ワークアズライフとは落合陽一が提唱している新しい考えです。

仕事とプライベートを区切るのではなく、寝ている時間以外は全て仕事であり趣味である。

そもそも、日本人には仕事と生活を分けて考えるワークライフバランスは合っていないという考えから、全ての時間が仕事であり趣味であるというワークアズライフを提唱しています。

なぜ、仕事と生活を分けて考えることが日本人に合っていないと考えるのかについて、解説していこうとおもいます!


なぜワークライフバランスは日本人に合っていないのか



日本人は歴史的にも大和朝廷の時代から、長時間労働を行なってきました。生活の中に労働を含んだ文化を持っています。

しかし、過労とはなっていませんでした。

過労とは「働きすぎること」ではなく、「ストレスのある状態」と考えます。

ストレスなく、無理なくできることを組み合わせて生きていくことで、ワークアズライフが実現できるということです。

この考えは、非常に衝撃を受けました。

たしかに、やっていてとても楽しく、趣味の一部のようにしている仕事であれば、長時間行ってもストレスはありませんよね。

この、仕事・趣味を楽しみながらやることを実現するために、もう一つ大切な考え方を落合陽一さんは提唱しています。




百姓という多動力で日本再興



これからの日本では百姓的な生き方が必要になってくると表現しています。

百姓というのは、百の生業をするものという意味で、1つのことだけでなく沢山のことをしている人です。

落合陽一さんも自身を百姓と呼んでいます。大学で教えつつ、メディアアートをして、会社を経営しているという、毎日違ったことをする百姓的な生き方をされています。

堀江貴文さん(ホリエモン)も百姓的な生き方をされているとおもいますが、共通して毎日を精一杯、楽しく過ごしているとおもいます。

色々な仕事・趣味を行うことでワークアズライフが進んでいくのですね。




士農工商。クリエイティブな仕事が尊重される時代で日本再興



江戸時代の士農工商は現代に必要な考え方。

士が1番尊重され、商の価値が1番低いというものですが、現代の日本は商が1番尊重されています。

マスメディアの影響で、銀行・商社といった本来クリエイティブでない仕事の人気が増え、能力ある人も拝金主義に囚われ就職してしまう。

これからは、士農工商を改めて考え「ものづくり」へのリスペクトを回復することで、能力ある人が力を発揮できるようになると考えています。

社会が変化していく上で、必ず必要になるクリエイティブな力。従来より幅広い意味での手に職をという時代が来るのはそう遠くないと思いました。




機械親和性の高い日本はテクノロジーを有効活用できる



アニメ・ロボットなど、日本の進んでいる文化は社会にテクノロジーが導入されることに対して寛容だという考えです。

西洋は、労働を神秘的なものと考える面があるので、人型ロボット・AIなどの導入には反発があるでしょう。

5Gについても、4G環境の整備が他国に比べて整っている日本であれば導入のスピードは速まります。

失われた2,000年問題など、テクノロジーで遅れをとっている日本ですが、人型ロボット・AI・5Gなどを早い段階で生活に組み込むことができれば、これからの日本はとても明るいものになりそうですね。



人口減はむしろチャンスと考える日本再興戦略



この本で感銘を受けたのが、「日本の人口減はむしろチャンス」という落合陽一さんの考えです。

現在の日本では、人口減により働く世代の負担が非常に大きくなっていたり、年金問題など暗いニュースが多く見られます。

若い世代は将来に希望がないという話を聞くことも少なくありません。

そんな暗い考えとは異なり、落合陽一さんは人口減による高齢社会をチャンスと捉えています。

中国などアジア圏でも高齢化が進んでいきます。そうした中で日本が先駆けて高齢化に適応することで、アジア圏やその他の国が高齢化になった際には日本がポジションを取ることができるのです。

介護ロボットを日本が先駆けて実践し、生産することができれば、将来的には輸出大国となる事も可能です。

また、相対的に子供の割合が少なくなることで「子供を大切にし、社会で育てる」という文化が今よりも根づけば、子供に対する教育も発展します。

未来を担う世代の教育に力を入れることができれば、これからの日本は格段にパワーアップしそうですね。

いかがでしたでしょうか?

落合陽一らしい、独自の切り口で日本再興を考えている本です。

まだまだ書きたい内容が盛り沢山なので、続きは書評②をご覧ください

本の紹介カテゴリの最新記事