先日書店に寄った際に、タイトルとジャケットを見てコレは!!と買った小説を読み終わったので感想を共有したいと思います。
今回ご紹介する本は 「かがやき荘西荻探偵局」東川篤哉 著 です。
ジャケットは

こんな感じです!
内容紹介は以下の通りです。
【西荻窪のシェアハウスで暮らす、葵、美緒、礼菜。お金も色気もないアラサー女子三人組が、探偵やるなら滞納家賃は相殺という話に飛びついた。杉並大豪邸で起きた事件から、深夜に回る洗濯機の怪、週末だけの秘密ミッション、「西荻向上委員会」からきた紳士……。謎解きは、時々ぐだぐだ呑み会と化すのがお決まりだけど、あれ?解決のヒントが! ゆるめなお喋り推理が心地よいミステリー。】
このように、西荻窪のシェアハウスに暮らす、葵、美緒、礼菜の冴えないアラサー女子三人組が
ひょんなことから探偵になり、運や実力?を発揮して謎解きをしたり酒宴をする話です。
本を読む前に興味を惹かれた点と読み終わってよかった点を述べていこうと思います。
読む前に興味を惹かれた点
タイトル内にある「西荻」というワード
個人的に興味を惹かれた点は、何よりタイトル内にある「西荻」というワードです。
西荻というのは西荻窪の略称で、東京都杉並区にある地名です。
(地方住みの私なんかより、知っている方も多いと思いますが…)
子供のころよく行った町で、自分自身が西荻窪と縁があることから興味を惹かれました。
作中では西荻窪の街なみが沢山出てきますが、非常に西荻窪という町をうまく書き表していると感じました。
骨董品を扱う店が多かったり、駅裏のしなびた居酒屋や閑静な住宅街。
といった、一見すると他の町に比べ地味に感じるかもしれませんが、良い意味で時代を感じる街を舞台に、物語が進んでいきます。
東京でミステリー小説の舞台になるのは、新宿・渋谷・池袋などの街並みが多く、次に中央・台東・墨田・江東区といった下町が多いのではないかと作者もあとがきで綴っているがその通りだと感じました。
なかなかそういった舞台にならない街をユーモアを混ぜて描くことで物語にスッと入っていくことができたと感じます。
表表紙と帯に書かれた3人の絵

表表紙と帯裏にアラサー女子3人組が描かれています。
絵だけでもわかるくらい、この3人は見た目が(後ほど感想でも書きますが性格も)全く異なります。
しかしなんとなく漂う、冴えない干物感がうまく描かれていると感じました。
読む前に興味を惹かれた点は以上の2点です。
続いて、読み終わってよかった点について述べていこうと思います。
読み終わってよかった点
笑い多めのゆるめな推理
これは、人によって好みがわかれる点かもしれませんが、スリリングで痺れる展開が好きな人にこの作品はオススメしません。
ユーモアのある作品が好きで、ゆるめな推理を楽しめる方はとても楽しんでいただけると思います。
思わずツッコミを入れたくなるような展開や会話、推理など、非常に楽しめる内容でした。
個性豊かなアラサー3人組
絵にも表れていますが、3人組が個性豊かで読んでいてとても愉快でした。
キャラクター説明は以下の通りです。
小野寺葵(31)
長身で色白、長い黒髪。
切れ長の目に眼鏡が光る知的女子…実はモテない、
ミステリ・マニアの推理オタク。
占部美緒(30)
怪しげな方言を喋りまくり、
時には蹴りも辞さない茶髪の赤いパーカー女子。
元家電量販店販売員。
関礼菜(29)
黒髪をツインテールに結び、
濃い目のメイクで女子高生制服コスプレを偏愛する元銀行員。
このように説明を見ただけでもかなり異質な3人組ですが、物語を読み進めると根本にある干物感や生活など非常に似ている点も多いと感じる点が多く非常に面白かったです。
また、シェアハウスで暮らしているためか息もぴったりで、驚く方向で事件解決をしていきます。
個人的にはツインテールの女子高生制服コスをしている関礼菜が好きな人物です。
おっとりとした口調とは裏腹に、乾きものと酒を飲んだり。
自分の欲望に素直な性格(3人に共通しますが)は読んでいて面白かったです。
現実世界にいたらぜひ仲良くなって、一緒に酒盛りをしたい気持ちがあふれてくるような3人組。
ユーモア好きの方はぜひ読んでみてください。